イヒダリの魔導書
『レコンキスタ』の感想
タイトルにあるとおり『レコンキスタ』をプレイしました。
これは2007年にコットンソフトから発売されたパソコンゲームです。
主題歌を歌っているのは「Elements Garden」の秘蔵っ子「飛蘭」さんです。
ゲームをする前は「このOPは作品の雰囲気に合っているのか?」とか思っていましたが、作中で流れた瞬間に「この作品のオープニングはこれしかない!」と納得。
いろいろ侮ってスミマセンでした……
さて肝心のストーリーの構成は――
各ヒロイン(秋月暮葉・吉森麻咲・羽鳥真帆子・春日井詩菜)を攻略していく第一章。
物語のバックボーン(作中内の過去の話)を描いた第二章。
そしてトゥルーエンドの第三章となっています。
物語の序盤は二人のプレイヤーキャラ(槇野慶吾・三沢信哉)の視点を行き来しながら進んでいきます。
共通ルートで攻略キャラが確定すると、そのルートにふさわしいプレイヤーキャラに視点が固定されるんですが、それまではこの視点の切り替えが鬱陶しくてかなわなかったです。
しかもヒロインの個別ルートに入ってからも、この視点の切り替えは多用(今度はプレイヤーキャラと攻略対象のヒロインのあいだで)されていて、それが個人的にはマイナスの印象でした。
でも登場人物たちの心理状態を、プレイヤーにわかりやすく伝えるための演出だと思えば、プラスマイナスゼロだと言えなくもない……
実際に各キャラクターの心理描写はうまかったですしね。
あとシナリオライターは三人いるんですが、彼らが『レコンキスタ』で表現したかったと思われるメインテーマ「“死”と“再生”」は、結局はシナリオライター個人の「死生観」の押しつけでしかないので、イヒダリは共感半分・反感半分といったところでした。
でも本当にシナリオライターが書きたかったのは、上記のプレイヤーキャラクターたちの葛藤や決意ではなく、「汐見トオル(作中の事件の首魁)」と「上条裕輔(槇野慶吾の義父)」の救済だったんだろうなあ……
なぜそう思うのかは第三章のトゥルーエンドを見たからですが。
実際のところ作中の第一章も第二章も、終わってみれば第三章の伏線でしかなかった。
トゥルーエンドを完成させるためのパズルのピースでしかなかった。
まあ、第一章も第二章もおもしろかったから、べつに文句はないんですけどね。
てなわけでここから先は、イヒダリがいちばんおもしろかったと思う第一章の「秋月暮葉」ルートの概要を、簡単に紹介していきます。
ネタバレをかなり含みますので、読む際は自己責任でお願いします。
まずはタイトル画面から。
ちなみに最初は、タイトル画面に「秋月暮葉」はいません。
第一章と第二章をクリアしてから出てきます。
では物語の冒頭に。
いきなりワケのわからない応酬から始まります。
最初に見たときは「こいつらは何を言ってるんだ?」って感じでしたが、それはストーリーを進めていくと徐々にわかっていきます。
ちなみにイヒダリは、「あなたは私の『過去』……」「そして私はあなたの『未来』でもある」という台詞が心に残りました。
この二つの言葉は“深遠”で素晴らしいと思う。
そしてあらためて本編が始まります。
本編は冒頭の14日前――つまり冒頭の過去から開始されます。
最初にプレイヤーが操作できるキャラクターは槇野慶吾。
非常勤の講師として、物語の舞台となる人工島にやってきます。
彼は奥さんに先立たれており、現在は娘の「もみじ(上の画像を参照)」と二人で暮らしています。
そして彼は引っ越してきた初日の夜に、死んだ奥さんにそっくりな女性と邂逅します。
それが「秋月暮葉」です。
彼女は作中で都市伝説のネタになっている「首刈り女」で、夜中に街中を徘徊しながら人間の首を切り落としています。
ただしこの時点ではまだ、槇野慶吾はそのことを知りません。
そしてある日の夜。
彼は決定的な場面に遭遇します。
<(lll゚Д゚)>{ Oн Мч God★
ここまでが物語の冒頭です。
それから紆余曲折あったのちに――
暮葉が首刈りをしていた理由、死者を蘇らせる『反魂の法』のこと、そして暮葉自身もまた『反魂の法』で甦った死者であることがわかります。
さらにストーリーを進めると――
暮葉を『反魂の法』で復活させた張本人の正体も判明します。
それが彼――「汐見トオル」です。
ちなみに、彼が蘇生させたいのは、彼自身の妹さんです。
そして妹を復活させるためなら手段を選ばない外道でもあります。
しかし彼の計画は中断しています。
なぜなら妹を復活させる手段である『反魂の法』が不完全な術だから。
たとえ『反魂の法』で死者を甦らせても、毎夜、月の光を浴びなければミイラになってしまいます。
だから汐見トオルは、完璧な『反魂の法』を得るために、何度も人体実験を繰り返した。
でも独学では限界があった。
だから彼は、のちに槇野もみじを誘拐して、暮葉を脅迫します。
なぜなら、ほかでもない秋月暮葉(本当の名前は上条暮葉)が、『反魂の法』の伝承者だから。
そして槇野もみじの“祖母”でもあるからです。
で、物語はようやく冒頭のシーンに辿りつきます。
ここで汐見は、暮葉から『反魂の法』の副作用を無くす方法を聞き出し、もみじの監禁場所を代わりに教えます。
そして物語は終局に向かっていきます。
もみじを無事に救出したあと、暮葉は『反魂の法』を行なうためには必要不可欠な、『反魂樹』という木を焼却します。
そして槇野慶吾は、奥さんの死という辛い過去を乗りこえ、“今”を大切にすることを誓います。
自分でも呆れるくらいに大雑把ですが、『暮葉』ルートの説明はこれで終わりです。
ストーリーの全容が知りたい方は、ゲームを買って実際にプレイしてください。
それでは。
この記事にコメントする
この記事へのトラックバック
- この記事にトラックバックする
カレンダー
Web拍手
プロフィール
イヒダリ彰人(あきひと)。
北海道に棲息する素人もの書き。
逃げ足はメタルスライムよりも速い。
でも執筆速度はカメのように遅い。
筆力が上がる魔法があればいいと常々思ってる。
目標は『見える、聞こえる、触れられる』小説を描くこと。
《尊敬する作家》
吉田直さん、久美沙織さん、冲方丁さん、渡瀬草一郎さん
《なのは属性》
知らないうちに『アリすず』に染まっていました。
でも最近は『八神家の人たち』も気になっています。
なにげにザフィーラの書きやすさは異常。
『燃え』と『萌え』をこよなく愛してます。
《ブログについて》
魔法少女リリカルなのはの二次創作小説を中心に掲載するサイト。
イヒダリ彰人の妄想をただひたすらに書きつらねていきます。
もちろん無断転載は厳禁。
《連絡先》
aki_ihidari☆yahoo.co.jp
なにかあれば上記まで。
☆を@にしてお願いします。