イヒダリの魔導書
死人機士団を読みました。
言わずと知れた菊池秀行さんの伝奇小説です。
秋せつらを主人公に据えた《マン・サーチャー》シリーズのひとつですね。
菊池さんの小説は何冊か拝読していますが、やはりこのシリーズがいちばんおもしろい。
人生ではじめて読んだ本格的な小説(小学校の図書館で読んだズッコケ三人組は除く)が、このシリーズの魔王伝だったので、当時の衝撃とあいまってかなり思い入れがあります。
……なにげにエッチな描写が多いしね。
さて。
この死人機士団という物語のテーマを簡単に説明すると……
フランケンシュタインが作った男女のモンスターの『愛と哀』を描いた叙情劇って感じ。
そこに秋せつらをはじめとするおなじみのメンバーが関わってくるという話です。
本書に出てくる敵は『F男爵』と名乗るフランケンシュタイン博士の末裔。
そして珍妙な超能力を使う一期一会の人たち多数です。(苦笑)
とはいえ、菊池さんの作品を読んだことがある人ならわかると思いますが――
敵はなかなか死にません。(これはけっこう強調したい)
秋せつらの妖糸に切られても、それは偽者だったり不条理な力で蘇ったりして、そりゃあもうしぶといです。こりずに何度も登場して、せつらの邪魔をしてきます。
そしてこれもおなじみですが……
秋せつらは、当然のごとく敵に捕まります。
このシリーズをはじめて読む人がいれば、きっと「はあ?」と思うに違いありません。
だって『魔界都市の化身』とまで言われている男が、いとも簡単に敵の術中にハマって虜囚の身となるんですから。呆れればいいのか笑えばいいのかわかりません。
でもそれが《マン・サーチャー》シリーズの醍醐味だったりするわけですが。
文章は常用外の漢字がたくさん出てくるので、ぱっと見では『読みづらいかな?』と思うのですがそんなことはなく、不思議とスムーズに読めてしまいます。
この奇妙なスキルは、マジでうらやましい。
もしかしてこれが『魔界都市の神通力か!』とか思っちゃったりして。
イヒダリにも、その力を分けてほしいです。
はあ、楽して文章がうまくなりたい。(←こらッ!)
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プロフィール
イヒダリ彰人(あきひと)。
北海道に棲息する素人もの書き。
逃げ足はメタルスライムよりも速い。
でも執筆速度はカメのように遅い。
筆力が上がる魔法があればいいと常々思ってる。
目標は『見える、聞こえる、触れられる』小説を描くこと。
《尊敬する作家》
吉田直さん、久美沙織さん、冲方丁さん、渡瀬草一郎さん
《なのは属性》
知らないうちに『アリすず』に染まっていました。
でも最近は『八神家の人たち』も気になっています。
なにげにザフィーラの書きやすさは異常。
『燃え』と『萌え』をこよなく愛してます。
《ブログについて》
魔法少女リリカルなのはの二次創作小説を中心に掲載するサイト。
イヒダリ彰人の妄想をただひたすらに書きつらねていきます。
もちろん無断転載は厳禁。
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