イヒダリの魔導書
ましろ色シンフォニー(PCゲーム版)の感想
このゲームは2009年の10月に『ぱれっと』から発売されたPCゲームです。
今年の6月にはPSP版の発売。そして今月からはアニメの放送も始まりました。
ちなみにアニメのほうは、イヒダリも視聴しています。
視聴前は不安でしたが、いまでは楽しめています。
このゲームもプレイする前はそうでした。
当初は「テンプレの寄せ集めか」と侮っていました。
ですが実際にプレイしてみると、テンプレ展開なんて気にならない。
主人公はへタレじゃないし、各ヒロインと恋人同士になるまでの過程も丁寧に描写されていたし、くわえて感動的なシーンもある――と、すごく楽しませてくれました。
とくにイヒダリは、各ヒロイン(主人公を含む)の価値観が恋愛を通じて「変わっていく」ところが、おもしろかったです。
まずメインヒロインの「瀬名 愛理」は――
離婚して女手ひとつで娘を育てる羽目になった母親の、休む暇もなく仕事に明け暮れる姿を見てきた影響から、いつしか『安定した日常』に固執するようになっていた。
学園の統合に反対だったのは、良い意味でも悪い意味でも安定していた日常が、その件で壊れると思ったから。
彼女は変化を極端に嫌う人間だった。
主人公の義妹の「瓜生 桜乃」は――
幼いころから、自分の中にある主人公に対する恋心、を自覚していた。
でも『兄と妹』という立場の崩壊を恐れて、ずっと自分の気持ちには固く蓋をしていた。
彼女は一歩を踏み出す勇気が持てない人間だった。
野良メイドの「アンジェ」は――
メイドであることが唯一無二の絶対的なアイデンティティーだった。
常に理想のメイドになるべく腐心し、仕事がなくなれば自作自演してまでも、メイドである自分を誇示しようとする。
それがメイドらしからぬ所作だとは気づかずに。また気づこうとはせずに。
彼女は歪んだ信念の持ち主だった。
そして1学年上の先輩「天羽 みう」は――
子供のころに飼っていたペットの死がトラウマとなり、自分に懐く動物がいても家で飼おうとはしなくなった。
でも動物が好きなのは変わらなかったので、学園では「ぬこ部」という部活を作り、怪我をした野生動物の手当てなどをしていた。
保護した動物に愛着を持たないよう注意しながら。
彼女は失ったときのことばかりを考えて、愛することができなくなった人間だった。
以上のように4人のヒロインが、独自の固定観念を持っています。
そしてそれらが徐々に変わっていく様子は、このゲームの醍醐味と言ってもいいでしょう。
アニメでは4人のヒロインのうち誰に焦点が当たるのか、今はまだ判然としていませんし、なにをどう楽しめばいいのかわからない方もいるでしょう。
でもイヒダリの感想が、ましろ色シンフォニーを楽しむ一助になれば、とても嬉しく思います。
そういえば肝心なことを書くのを忘れていました。
イヒダリがいちばん好きな話は『アンジェ』のストーリーです。
彼女のルートは、テンプレの塊と言われているこのゲームの中でも、独特だったと思う。
その次に好きなのが、みうのストーリーかな?
とにかくエンディングの演出が反則でした。あんなの泣くなっていうほうが無理だろ。
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プロフィール
イヒダリ彰人(あきひと)。
北海道に棲息する素人もの書き。
逃げ足はメタルスライムよりも速い。
でも執筆速度はカメのように遅い。
筆力が上がる魔法があればいいと常々思ってる。
目標は『見える、聞こえる、触れられる』小説を描くこと。
《尊敬する作家》
吉田直さん、久美沙織さん、冲方丁さん、渡瀬草一郎さん
《なのは属性》
知らないうちに『アリすず』に染まっていました。
でも最近は『八神家の人たち』も気になっています。
なにげにザフィーラの書きやすさは異常。
『燃え』と『萌え』をこよなく愛してます。
《ブログについて》
魔法少女リリカルなのはの二次創作小説を中心に掲載するサイト。
イヒダリ彰人の妄想をただひたすらに書きつらねていきます。
もちろん無断転載は厳禁。
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