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サウンドステージXを聴いたぜ!

およそ二時間。聴きまくりました。
いやー楽しかったなぁ。ほんとに楽しかった。
スバル、ティアナ、エリオ、キャロ。
この四人のStrikerSたちの成長ぶりが、とても目立った話でした。
っていうかそれがメイン。非常に創作意欲を掻きたてられる作品だった。

ただ音声だけだったせいもあってか、戦闘描写はけっこう淡白で、
少しもの足りなかった部分もありました。
仰々しく登場した敵キャラも烏合の衆みたいな感じで弱かったし……。
これがもし映像で出されてたら、もうちょっと戦いに緊迫感があったかもしれないなぁ、
とか思ったりしちゃったりしました。

まあ不満点はそれくらいで、あとは文句のつけようがなかったかと。
エンディングも余韻があっていい感じだったし、
リリカルなのはの面白さも再認できました。

そこで僕はSS作家の嗜みとして、
サウンドステージXを聴いて印象に残ったシーンをノベライズしてみました。
やっちまった感はありますが、後悔はしていません。
やっぱりチャレンジ精神は大切ですよね?
そんなわけで興味のある方はぜひ一読していただけるとありがたいです。

《追記》
多少のネタバレがありますので、サウンドステージXを聴いていない方は、
お気をつけください。



 映像通信越しに自分を見つめるスバルに、ティアナはクロスミラージュを掲げてみせる。

「いまから天井を抜いて道を作る。そしたらイクスを連れてあがってこられる?」
「うん」

 スバルが逡巡もなく頷いた。
 ティアナも頷き返す。これ以上の言葉は無粋だ。信頼には、それに伴った行動で答える。
 すなわち――スバルが疾走するための天駆ける道を、ティアナが切り拓くことに他ならない。

「いくわよ、クロスミラージュ」
『The firing lock is canceled. Load cartridge.』

 ティアナの呼びかけに応じて、クロスミラージュがカートリッジをロードする。
 その数は四。
 カートリッジの役割は魔力の水増し。いわゆる瞬間的なブーストである。
 一発だけでも充分な効果が期待できるカートリッジを一度に四発……それは暖炉に薪をくべるような生易しいものではない。火災現場に爆発物を投入するようなものだ。
 それほどまでに膨大な魔力を費やさなければならない魔法を、ティアナは行使しようとしているのである。
 ティアナの足元と前面に、ミットチルダ式の魔法陣が展開される。
 その魔法陣の組成に含まれた術式を見て、ティアナの後ろにいるウェンディが瞠目した。

「なっ!? ティアナが壁抜きって……それまさか!」

 驚きにうわずったウェンディの声に、クロスミラージュの淡々とした音声が被さる。

『Converge start.』

 不安は微塵もない。
 ティアナはクロスミラージュの銃口を、足元に堆積した瓦礫の山へと照準する。
 光が集う。まるで周囲に満ちた大いなる力がティアナを味方するかのように、あまねく降りそそぐ魔力の輝きは、彼女に誘われるかのごとく眩く収斂されていく。
 ただ苛烈に。ただ玲瓏に。
 夜闇さえ払わんばかりの赫奕に照らされたティアナの横顔は、不敵な笑みを刻んでいた。

「辺りの魔力が多くない分余裕はないけど、これくらいなら撃ち抜けるッ」


「光の粒が集って……まるで星みたいに」

 この魔法の端倪すべからざる特色――周囲の空間に散逸する魔力を呼びこみ、その輝きを一点に束ね集めていく光景――を見て、イクスが惚けたように呟く。

「あれは、収束砲?」

 ほとんど独り言と変わらないイクスの囁きに、スバルは「はい」と神妙に頷いた。
 悠揚と尾を曳く無数の流星に魅入られたまま、イクスは微かに震える声で言葉を繋げる。

「なぜでしょう。あの茜色の星たちは破壊の砲撃なのに……綺麗です」
「うん。わたしもそう思います」

 イクスに同調したスバルは、心底誇らしげに言い放った。


 機は熟した。
 クロスミラージュの銃把を握りしめる両手に渾身の力をこめて、ティアナは眦を決する。

『Starlight Breaker.』

 クロスミラージュの音声に呼応し、球体状に収束した魔力がよりいっそうの輝きを放つ。
 その瞬間、世界にはティアナとクロスミラージュ、そして煌く光輝だけが在る。彼女の意識は光に塗りこめられ、光は彼女にのみ応じる。圧倒的なその輝きは彼女が希った力の具現だ。
 慟哭の悲鳴を打ち消すのは、鮮烈にして清浄なる幾万の星の喝采。視界いっぱいに広がるのは、泣いている子を助けたい、とあらん限りの祈りで欲した希望の礫。
 その祝福を両手に抱え、おのが信義を貫くための誓いを立て、ティアナは吼えるように猛るように、輝ける開闢の星の名を唱える。

 撃ち放て――

「スターライト――ブレイカーッ!」

 

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男性
趣味:
立ち読み、小説を書くこと
自己紹介:

イヒダリ彰人(あきひと)。
北海道に棲息する素人もの書き。
逃げ足はメタルスライムよりも速い。
でも執筆速度はカメのように遅い。
筆力が上がる魔法があればいいと常々思ってる。
目標は『見える、聞こえる、触れられる』小説を描くこと。

《尊敬する作家》
吉田直さん、久美沙織さん、冲方丁さん、渡瀬草一郎さん

《なのは属性》
知らないうちに『アリすず』に染まっていました。
でも最近は『八神家の人たち』も気になっています。
なにげにザフィーラの書きやすさは異常。
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魔法少女リリカルなのはの二次創作小説を中心に掲載するサイト。
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