イヒダリの魔導書
『学戦都市アスタリスク』の1巻を読んだ
これは『三屋咲ゆう』さん著作のライトノベルです。レーベルは『MF文庫J』です。
ジャンルは『SF』『学園』『ラブコメ』の三つでしょうか。
癖のないオーソドックスなライトノベルです。
このライトノベルを読みたくなった理由は、ずばり表紙の絵が気に入ったからです(苦笑)。
ネットで調べてみると絵師の『okiura』さんは、あの『IS(インフィニット・ストラトス)』のイラストも担当していた方で、「なるほど。どうりで惹かれたわけだ」と思った。
なぜならイヒダリは『IS』のキャラデザが好きだったから。
物語の舞台は『六花(通称アスタリスク)』と呼ばれる水上学園都市。
この水上都市には六つの学園が存在し、主人公はそのうちの一つに通っています。
作中の世界では《星武祭(フェスタ)》と言われるバトルエンターテイメントが流行っています。
詳しい説明は面倒臭いので割愛しますが、ようするにスポーツ格闘技の全国大会です。
もっと端的に言えば、オリンピックですね。
そして作中に登場するキャラクターの大半は、この大会で優勝することを目標にしています。
なぜなら大会に優勝できれば、その運営に携わるスポンサー企業が、願い事を叶えてくれるからです。
それが現行の技術で実現可能なことなら何でも。
だから六つの学園に入学してくる者は年齢も国籍も人種もさまざま。
唯一共通するのは「腕自慢」という点のみ。
しかも学生には個人のあいだで“決闘”も許可されています。
つまり自由に喧嘩をふっかけてもいいわけです。もちろん相互の承諾がなければいけませんが。
読んでみるとわかりますが、なかなか物騒な世界観です。
1巻の時点ではラブコメ要素が強く、内容も世界観の説明に比重を置いているので、あまりそういう印象はありませんが。
著者の『三屋咲ゆう』さんは、この作品が初単行本らしいのですが、ぜんぜんそんなふうじゃない。
とくに文章に関してはベテランの作家さんにも劣らない読みやすさ。
専門用語や世界観の解説が多い序盤(だいたい70ページくらいまで)を除けばサクサク読み進められます。
描写もゴチャゴチャしていないので、各キャラの行動や心理もわかりやすい。
そのためシーンのひとつひとつを頭の中で簡単に映像化できます。これは本当に素晴らしい点です。
そしてなんといっても視点が三人称なのがいい。
ま、これは完全にイヒダリの好みですが。
しかし当然ながら好みじゃない点もありました。
それは作中の登場人物のほとんどに、著者本人の個性が、まったく感じられなかったことです。
出てくるキャラクターたちは、みんな、どこかで見たことがあるんです。
だからキャラ同士の会話にも既知感を覚えます。ほんとに驚くほどです。
これでは誰も『キャラ萌え』ができないんじゃないだろうか?
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プロフィール
イヒダリ彰人(あきひと)。
北海道に棲息する素人もの書き。
逃げ足はメタルスライムよりも速い。
でも執筆速度はカメのように遅い。
筆力が上がる魔法があればいいと常々思ってる。
目標は『見える、聞こえる、触れられる』小説を描くこと。
《尊敬する作家》
吉田直さん、久美沙織さん、冲方丁さん、渡瀬草一郎さん
《なのは属性》
知らないうちに『アリすず』に染まっていました。
でも最近は『八神家の人たち』も気になっています。
なにげにザフィーラの書きやすさは異常。
『燃え』と『萌え』をこよなく愛してます。
《ブログについて》
魔法少女リリカルなのはの二次創作小説を中心に掲載するサイト。
イヒダリ彰人の妄想をただひたすらに書きつらねていきます。
もちろん無断転載は厳禁。
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