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篠田節子さん著作の『弥勒』を読みました

 この作品は『パスキム』という架空の小国を舞台に、美とは何か? 文化とは何か? 救いとは? 理想郷とは? という人間の根源的な部分に訴えてくる小説でした。

 この小説は『パスキム』という架空の小国が舞台。
 そして主人公の男性がその国のクーデターに巻きこまれ、想像を絶する生活を強いられながらも、美とは? 文化とは? 救いとは? などを苦境の中で問いかけてくる苛烈きわまる作品でした。

 物語に登場するのは、ただの無力な人々だけ。
 銃で武装した兵士たちに脅され、慣れない労働を強いられ、原始的な生活に放りこまれ、しかし文句のひとつも言えない。
 映画やアニメに出てくるような『ヒーロー』もいない。
 刻々と悪くなっていく状況に対して、なにもできず、ただ為す術なく死んでいくしかない。

 本編終了後の解説に、「生半可な気持ちでは読み通すことの不可能な、極めて苛烈でヘヴィーな小説であり、気の弱い読者には余りお薦めできない」と書かれているが、読んでみると確かに“むべなるかな”と思える。

 でもイヒダリの中で印象に残ったのは、約650ページにも及ぶ話の長さでした。
 とくに前半は物語の設定の説明に終始し、ストーリーが遅々として進まず退屈だった。
 文章量も非常に多く、読むのに苦労しました。
 たぶんライトノベルだったら三冊分くらいはあるんじゃないだろうか。
 で、ようやく話がおもしろくなってきたのは300ページを過ぎたあたりからでした。
 それまでは起承転結の『起』を延々と読まされている感じ。
 こう言ってはなんですが、本当につまらなかったです。
 ただ。
 その退屈な時間がなければ、物語を通して変わっていく主人公に感情移入はできなかったし、この作品は成り立たなかった。
 無駄な描写はない。しかし情報が多すぎて、読んでて疲れてくる。
 これが読後に思ったイヒダリの感想です。

 というわけで手放しにオススメはできませんが、重厚な設定に裏打ちされたストーリーは圧巻なので、もし興味があるなら読んでみて損はないでしょう。

《余談》

 実写版「ザ・キング・オブ・ファイターズ」予告PV公開 どこから突っ込めばいいのか

 (´゚д゚`)ポカーン
 

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イヒダリ彰人
性別:
男性
趣味:
立ち読み、小説を書くこと
自己紹介:

イヒダリ彰人(あきひと)。
北海道に棲息する素人もの書き。
逃げ足はメタルスライムよりも速い。
でも執筆速度はカメのように遅い。
筆力が上がる魔法があればいいと常々思ってる。
目標は『見える、聞こえる、触れられる』小説を描くこと。

《尊敬する作家》
吉田直さん、久美沙織さん、冲方丁さん、渡瀬草一郎さん

《なのは属性》
知らないうちに『アリすず』に染まっていました。
でも最近は『八神家の人たち』も気になっています。
なにげにザフィーラの書きやすさは異常。
『燃え』と『萌え』をこよなく愛してます。

《ブログについて》
魔法少女リリカルなのはの二次創作小説を中心に掲載するサイト。
イヒダリ彰人の妄想をただひたすらに書きつらねていきます。
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