イヒダリの魔導書
あの名作『鬼哭街』のリニューアル版が発売されるそうです
発売予定日は今月の27日。
そして原作は『魔法少女まどか☆マギカ』で一躍有名になった虚淵玄さんです。
会社のホームページを見るとマスターアップしているらしいので延期の可能性は無いでしょう。
あいにくゲーム(リニューアルされる前)のほうは持っていないイヒダリですが、かわりに文庫化(角川スニーカー文庫より発売)された小説のほうを持っています。
もちろん虚淵さんの硬質ながらも巧みで読みやすいテキストは健在でした。
彼の持ち味である超絶かっこいい戦闘描写を心ゆくまで堪能できます。
壊れかかった肉体の限度も顧みず、濤羅(タオロー)は今度こそ戴天流の秘術を尽くした殺法で鬼眼麗人に斬りかかる。『驟雨雹風』『鳳凰哮鳴』『貫光迅雷』の三手に目眩ましの虚手を交えた連環套路。もはや一度ならず二度三度と急所を抉り、骸にしてなお重ねて殺さんとする鏖殺の剣である。(以上は『鬼哭街 鬼眼麗人』の152ページより抜粋)
こんな戦闘描写を書ける作家は、そうそういないでしょう。たぶん。
本編のほうも疾走感があって飽きない構成になっています。
起承転結が流れるように進んでいくさまは一種の芸術です。
そしてなによりもクライマックスが衝撃的だった。
まさか主人公が童貞のままエンディングを迎えてしまうとは。
そのエロゲーにあるまじき展開に、当時イヒダリは度肝を抜かれました。いや本当に(笑)。
そういう意外性も考慮して、この『鬼哭街』は個人的に、虚淵さんの最高傑作だと思う。
そういえば――
この文庫版『鬼哭街』のあとがきに、以下のようなことが書かれていました。
製作者が、つねに己の作品の価値を決定できるとは限らない。不当に貶められることもあれば、逆に予想もつかなかった厚遇を受けることもある。骨董品などが良い例だ。ただの実用品のつもりで製作した食器や家具が、ただ歳月を経たというだけで法外な価値を付加されて売り買いされている光景を目にすれば、作った当の職人は途方に暮れるしかないだろう。
これを今の虚淵さんが見たらどう思うだろうか?
まさかご本人も『魔法少女まどか☆マギカ』がこんなに大ヒットするとは思わなかったろうし。
はたして虚淵さんは途方に暮れたのだろうか?
イヒダリがツイッタ―をやっていれば、思いきって質問してみるんだけどなあ。
《web拍手の返信》
5月3日の0時ごろに拍手をくれた方。
どうもありがとうございました。
これからもイヒダリの魔導書をよろしくお願いします。
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プロフィール
イヒダリ彰人(あきひと)。
北海道に棲息する素人もの書き。
逃げ足はメタルスライムよりも速い。
でも執筆速度はカメのように遅い。
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目標は『見える、聞こえる、触れられる』小説を描くこと。
《尊敬する作家》
吉田直さん、久美沙織さん、冲方丁さん、渡瀬草一郎さん
《なのは属性》
知らないうちに『アリすず』に染まっていました。
でも最近は『八神家の人たち』も気になっています。
なにげにザフィーラの書きやすさは異常。
『燃え』と『萌え』をこよなく愛してます。
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