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『リアル妹がいる大泉くんのばあい』の感想

 あ……ありのまま、今、起こったことを話すぜ!
「おれはヌキゲーをやっていると思っていたのに、気がついたら感動系のゲームをプレイしていた」
 な、なにを言っているのかわからねーと思うが(以下、中略)

 この作品は2010年に『ALcotハニカム』から発売されたPCゲームです。
 シナリオライターは、文章力と妹キャラの描写に定評がある、『おるごぅる』さん。
 しかし性根の腐ったイヒダリは、このライターさんのゲームを初めてプレイする上に、他人の評価は斜に構えて見てしまう傾向があるので、さほど期待はしていませんでした。
 冒頭でも、とあるキャラの名言を借りて触れましたが、軽い印象のタイトルから判断して、値段相応のヌキゲーだと思っていました。
 その認識はゲームを進めていくうちに瓦解していったわけですが……

 まず攻略可能なキャラは3人。
 そのうち2人はエロシーンを補完するだけのオマケ程度(レビューを書くために、もう一度やりなおしたが、そんなことはなかった)でしたが、メインシナリオの『リアル妹』ルートの出来は、贔屓目なしに「これは良作だ!」と断言できるものでした。
 とくに主人公と妹の関係には意表を衝かれました。
 まさか妹の釣れない態度に、あんな裏事情があったとは。
 少女マンガではありそうだけど、エロゲーには無かった展開でした。……たぶん。
 妹との関係が世間にバレて冷たい目で見られる、なんて鬱イベントはないので、安心してエンディングを迎えられるのも好印象。
 なによりエンディングを迎えたあとの演出が素晴らしかった。
 真新しさがあったわけではないんですが、プレイ後の余韻を引き立てる良演出でした。
 これからは妹ゲーも要チェックだな!

 てな感じで、イヒダリは『リアル妹がいる大泉くんのばあい』を、堪能しました。
 これほど他人に勧めたくなったゲームは久しぶりです。
 もし興味がある方がいれば、ぜひプレイしてみてください。

《追記》

 最後に。
 イヒダリが個人的に「おもしろい」と思ったシーンを紹介します。
 ですが普通にネタバレっぽいので、このゲームをプレイしたことがない方、あるいはネタバレが気になる方は、いちおう自己責任でおねがいします。
 


 では手始めにキャラクターの紹介を。

5a113380.jpg72a6574b.jpg





 まずはツインテールの女の子が、主人公のリアル妹『大泉 栞』です。
 そして茶髪(金髪?)の女の子が、攻略可能キャラの一人『妹尾 美紀』です。
 二人は親友同士の間柄で、結構な割合で一緒にいます。
 ちなみに二人とも『実妹が出てくるエロゲーを好んでプレイする兄貴』に絶望しています。

2a421b9a.jpg9c2ef069.jpg





 で、この女の子キャラは二次元妹『大泉 麻衣』です。
 作中では、二次元のヒロインが現実のヒロインになって登場した、という設定。
 見方によってはオカルトですが、まあ気にしなくてもいいでしょう。
 それにしても一週目をプレイしていたときは、右側のセリフが伏線だったとは思わなかった。
 シナリオライター天才だな。

 そして次は主人公と実妹の確執が解けるシーン。ネタバレ有り。

ae027d72.jpg251a63ca.jpg





 主人公と実妹の関係を引き裂いた事件の説明。
 これで物語の冒頭から続いていた実妹の圭角の理由がわかります。

2cba35e9.jpg3604ba45.jpg





 回想シーン。
 二人の両親は昔から仲が悪かった。
 そのため主人公と実妹は寄り添って生きていた。
 その仲間意識が恋慕に発展したらしい。
 子供の無邪気と無知が重なってキスをしてしまう。
 が、それは禁忌だった。
 キスをしていたところを両親に見られて怒られてしまう。
 だから幼かった実妹は「お兄ちゃんと遊んだら怒られる」と思ってしまったのだ。
 それから兄妹は疎遠になっていった。
 お互いの気持ちは大きくなった今でも変わっていなかったというのに……
 細部は違うと思いますが、だいたいこんな感じです。

ef3c7f83.jpg48ee2679.jpg





 しかし兄妹は時を経て決意します。
 これは赦されないことだ。でも構いはしない。恋人同士になろう、と。

 つまり二人は最初から両想いだったわけです。
 でも家庭の事情や、互いを思うあまりに意固地となり、動けなくなっていた。
 という感じですかね。
 この『両想い』という部分を念頭に入れてプレイすると序盤のやりとりが意味深に見えます。
 それがなんだか新鮮だった。

 てなわけで以上です。
 つたない感想で本当に申しわけなかった。
 

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イヒダリ彰人
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男性
趣味:
立ち読み、小説を書くこと
自己紹介:

イヒダリ彰人(あきひと)。
北海道に棲息する素人もの書き。
逃げ足はメタルスライムよりも速い。
でも執筆速度はカメのように遅い。
筆力が上がる魔法があればいいと常々思ってる。
目標は『見える、聞こえる、触れられる』小説を描くこと。

《尊敬する作家》
吉田直さん、久美沙織さん、冲方丁さん、渡瀬草一郎さん

《なのは属性》
知らないうちに『アリすず』に染まっていました。
でも最近は『八神家の人たち』も気になっています。
なにげにザフィーラの書きやすさは異常。
『燃え』と『萌え』をこよなく愛してます。

《ブログについて》
魔法少女リリカルなのはの二次創作小説を中心に掲載するサイト。
イヒダリ彰人の妄想をただひたすらに書きつらねていきます。
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