イヒダリの魔導書
ひさしぶりの衝撃作
昨日、ようやく『秋、はらむ空』という長編SSを読み終えました。
これは「その境界線は。」に掲載されているリリカルなのはの二次創作です。
執筆者は秋庭加奈さんです。
じつは前々から読みたかったSSだったのですが、自分の小説を書いていたり読む時間がなかったりして、気がつけば一年近くも時間が経っていました。
そして今、「どうしてもっと早くに読んでいなかったのか!」と後悔しています。
おもしろかった――いや、圧倒された、という表現が正しいと思う。
これはイヒダリが初めて読んだ二次創作「Fate/In Britain」以来の衝撃でした。
こんなすごい「リリカルなのは」のSSを、イヒダリは今まで読んだことがありません。
なんなんだ? あの心理描写の奥深さは。なんなんだ? あの叙情的な文言の数々は。
なにより雰囲気作りがうますぎる。退廃的で刹那的で哲学的で……マジでなんなんだ。
あやうく自信喪失するところでした。同じジャンルで相撲を取っているのでなおさらに。
それくらい衝撃的でした。嫉妬まじりの羨望を抱いたほどです。
あと設定にも斬新さを感じました。
なんとこの物語は「もし聖王のゆりかごでヴィヴィオを助けられなかったら?」を軸にストーリーが展開していきます。
この表現がふさわしいかどうかはわかりませんが「最初からクライマックス」です。
なのはの絶望が、棘のような諦念が、重たい無気力が、これでもかと書かれています。
そしてなぜか百合要素が入っています。ややエッチな描写もちらほらと登場します。
なので、そういう描写が苦手な人は食わず嫌いをしてしまうかもしれません。
しかし――
しかし食わず嫌いせず、ぜひ読んでもらいたい。
決して感動的な物語ではありませんが、人によってはキャラクターの言動に違和感を覚えるかもしれませんが、それでも読了後は心地よい音楽を聴いたあとのような、安らかな余韻を味わえると思います。少なくともイヒダリの心には素敵な韻律が響きました。
まあ、ちょっと大げさに言いすぎたかもしれませんが(苦笑)。
てなわけで、お暇な時間があれば『秋、はらむ空』の一読を推奨します。
ただし同じSS作家は、興味本位で読むと自信を失くすかもしれないので、ご注意を。
これをただ純粋に楽しめる読者のみなさんは幸せだと思う。
ふぅ~(溜息)。
《拍手レス》
5月22日の16時52分にコメントをくれた方へ――
返信が遅れて申しわけありません。
拍手はたまにしか送られてこないので、コメントの存在を完全に見過ごしていました。
イヒダリも、日渡早紀さんの「GLOBAL GARDEN」と田村由美さんの「BASARA」は読んだことがあります。ていうか家の本棚に、いまも普通にあります(笑)。
この二冊は、設定もストーリーも少女マンガの域を超えて壮大で、読んでいた当時は圧倒されっぱなしでした。とくに「BASARA」は神すぎ。読まないと損するレベルでしたね。
「カードキャプターさくら」は、イヒダリも好きで観ていました。たぶん再放送ではなくリアルタイムで視聴していたと思います。記憶がはっきりとしないので断言はできませんが……
このマンガは魔法少女モノの決定版ですよね。
ドラえもんとサザエさんを除いて、家族と一緒に観ていたアニメでした。
いま思えばありえない現象だったなあ(しみじみ)。
藤原ヒロさんの「会長はメイド様!」は、イヒダリも読んでみたい少女マンガです。
なんか設定が「ギャルゲー」に似ていて興味をそそられます。
それではコメントありがとうございました。
この記事にコメントする
この記事へのトラックバック
- この記事にトラックバックする
カレンダー
Web拍手
プロフィール
イヒダリ彰人(あきひと)。
北海道に棲息する素人もの書き。
逃げ足はメタルスライムよりも速い。
でも執筆速度はカメのように遅い。
筆力が上がる魔法があればいいと常々思ってる。
目標は『見える、聞こえる、触れられる』小説を描くこと。
《尊敬する作家》
吉田直さん、久美沙織さん、冲方丁さん、渡瀬草一郎さん
《なのは属性》
知らないうちに『アリすず』に染まっていました。
でも最近は『八神家の人たち』も気になっています。
なにげにザフィーラの書きやすさは異常。
『燃え』と『萌え』をこよなく愛してます。
《ブログについて》
魔法少女リリカルなのはの二次創作小説を中心に掲載するサイト。
イヒダリ彰人の妄想をただひたすらに書きつらねていきます。
もちろん無断転載は厳禁。
《連絡先》
aki_ihidari☆yahoo.co.jp
なにかあれば上記まで。
☆を@にしてお願いします。