イヒダリの魔導書
たまたま書店で見かけたんですが。
コーチャンフォーのライトノベルのコーナーで『境界線上のホライゾンⅡ<下>』をたまたま見かけました。そして「えッ!」とおもわず手に取って検分してしまいました。
いや、ビックリですよ。だってページ数が1000を超えてるんですもん。
まるで辞書です。ていうかライトノベルというカテゴリーから逸脱した読みものです。
こんな分厚い小説、作者の川上稔さんの固定ファンしか買わないでしょう。
どうして電撃文庫は、こんなかさばる小説を世に出したんだろう?
ここから話は変わってSSの感想を書きたいと思います。
Fearless hawkのケインさんが執筆された中編SS『アリシア』を読了しました。
主役はクロノとフェイト。いわゆるクロフェイですね。
まずはじめに『アリシア』を読んで思ったことは、そのテーマの難しさです。
ネタバレになるので詳しくは書けませんが、いまのイヒダリが三回生まれ変わっても書くことができない、繊細で複雑で神経が擦り減りそうな物語です。
これはプロの作家さんが書いても難しいんじゃないだろうか。
それだけ難解なテーマを掲げていらっしゃいます。まだまだ学ぶところが多いクロノと、まだまだ年端もいかないフェイトが直面するには、本当に過酷でデリケートな話です。
でもきちんと完結させているところに、ケインさんの根性と筆力を感じます。
それにケインさんは描写力――頭の中に思い描いた情景を文章にして書き出す能力――が卓抜しているので、とてもスムーズに世界観の映像を喚起することができます。
イヒダリは情景描写が苦手……というより書くのが面倒になってしまうため、ケインさんの細やかな描写は見習いたいです。キャラの心理描写も丁寧で嫉妬してしまいます。
にもかかわらず、『アリシア』を読んで多く感じたのは賞賛よりも隔意でした。
その理由をひとつひとつ挙げていくと感想ではなく批評になるので自重します。
……ただ。
三話あたりからフェイトの気持ちを絶望させ、家出させたり口喧嘩させたり自殺(これはやりすぎだが)しようとさせたりすれば、もっと過激でシリアスな展開になったのに。
シンデレラ曲線に起伏がなかった。それがちょっと残念だったところです。
だから、せっかくの叙情的なエンディングも印象が薄かったです。う~~ん。
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プロフィール
イヒダリ彰人(あきひと)。
北海道に棲息する素人もの書き。
逃げ足はメタルスライムよりも速い。
でも執筆速度はカメのように遅い。
筆力が上がる魔法があればいいと常々思ってる。
目標は『見える、聞こえる、触れられる』小説を描くこと。
《尊敬する作家》
吉田直さん、久美沙織さん、冲方丁さん、渡瀬草一郎さん
《なのは属性》
知らないうちに『アリすず』に染まっていました。
でも最近は『八神家の人たち』も気になっています。
なにげにザフィーラの書きやすさは異常。
『燃え』と『萌え』をこよなく愛してます。
《ブログについて》
魔法少女リリカルなのはの二次創作小説を中心に掲載するサイト。
イヒダリ彰人の妄想をただひたすらに書きつらねていきます。
もちろん無断転載は厳禁。
《連絡先》
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